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高気密高断熱のメリット・デメリット

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近年建てられる住宅は、高気密・高断熱であることが当然のこととなってきています。ここでは、高気密・高断熱について、メリットとデメリットをそれぞれまとめました。しっかり施工してくれる工務店を選ぶポイントもあわせて説明しています。

高気密高断熱のメリット

光熱費の負担を軽減できる

高気密高断熱の住宅のメリットは、光熱費の負担を軽減することができます。気密性・断熱性に優れた住まいは外気の影響を受けにくく、室内の温度が外に逃げにくいのが特徴です。空気が出入りする隙間を少なくすることで、外気の影響を受けにくく室内の温度を一定に保つことができます。冷暖房の使用量を抑えても快適な温度を保つことができるため、光熱費の削減につながるのです。

高気密高断熱の住宅は、建築コストがかかりますが、それでもランニングコストを考えるとお得な生活ができるでしょう。長く住むほどお得になり、最終的には初期費用を回収することも可能です。省エネという観点からは、二酸化炭素の排出量削減にもなるため、環境にもやさしいといえます。

遮音性を確保できる

気密性の高い住まいは、遮音性を確保することができます。隣家の生活音や外を走る車の音、電車の音など、外から侵入してくる音を遮断してくれます。室内の音も外に伝わりにくくなるので、プライバシーを守ることもできるでしょう。

とくにピアノなどの楽器を演奏する方や、家の中でカラオケを楽しみたい方には、遮音性を確保した住まいがおすすめです。音漏れを気にすることなく、趣味の時間を楽しむことができます。住宅密集地や隣家との距離が近い場合は、騒音トラブルを防ぐ意味でも気密性に優れた住まいが推奨されます。

高い遮音性を確保するためには、気密性断熱性に加えてサッシも重要です。窓は音の侵入や音漏れがしやすい部分ですので、遮音性の高いサッシを使ってより遮音効果を高めるとよいでしょう。

ヒートショックのリスクを下げる

部屋ごとの温度差が激しい住宅では、急激な温度差によって引き起こされるヒートショックのリスクが高まります。ヒートショックは急劇な温度差によって、脳や血管の負担がかかることで引き起こされます。心筋梗塞や脳出血などの病気のリスクが高まり、最悪の場合に死に至るケースもあるのです。

ヒートショックのような健康被害から体を守るためには、断熱性・気密性を重視した住まいづくりが欠かせません。断熱性の高い住まいは、夏は涼しく冬は暖かいのが特徴。室内ごとの温度差を少なくするため、快適に過ごすことができます。

高気密高断熱の住まいは、隙間が少なく家全体を断熱材で覆われています。冬場は家全体をまんべんなく暖めてくれるので、足元だけ寒いということもありません。

冬場の浴室やトイレの寒さを解消し、健康な暮らしを提供してくれるのです。

参照元:ヒートショック―原因と対策 総合南東北病院(https://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/201301/topics.html)

高気密工断熱のデメリット

設計次第では息苦しさを感じる

気密性・断熱性にこだわった家づくりを行うと、窓の少ない住まいになってしまうケースがあります。窓が少ないと開放感を感じらえれず、せっかく高気密高断熱であっても、息苦しさを感じてしまうかもしれません。

気密性・断熱性を重視することはもちろん大切ですが、開放感や快適性を求めることも同じくらい大切です。コストや性能を考慮しながら、開放的な窓を取り入れるとよいでしょう。窓も樹脂サッシや二重窓にすれば、気密性を保ちながら開放感を得ることもできます。しかも、二重窓は防犯性に優れているため、空き巣に狙われにくいというメリットもあります。

窓の大きさを変えたくないときは、天井を吹き抜けにしたり、勾配天井にすることでも開放感を得ることができるでしょう。

気密性・断熱性にこだわりすぎても、快適な生活を手にすることはできません。予算と性能のバランスを考えて、心地よい暮らしができる住まいづくりをする必要があります。

臭いがこもりやすい

外気の出入りが少ない高気密高断熱の家は、臭いが家にこもりやすいというデメリットがあります。24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、それだけでは換気が不十分になることも考えられます。換気システムを設置するときは、設計士に相談しながら効率よく換気できる位置に取り付けなければなりません。

換気システムがポイントとなる

換気は給気と排気のバランスが重要です。24時間換気システムを効率よく稼働できていれば、高気密高断熱であっても臭いはこもりにくいでしょう。換気システムについては施工会社とよく相談し、住宅に適した方法を選ぶことが大切です。

定期的なメンテナンスが必要になる

高気密高断熱な家は、定期的なメンテナンスを行うことでより高い性能を発揮します。大きな修繕は必要ないものの、日々のメンテナンスやお手入れは大切です。

24時間換気システムのフィルターやファンは、定期的に掃除・交換をしましょう。メンテナンスを怠ると汚れが蓄積されてしまい、うまく機能することができなくなってしまいます。換気システムから異音が発生したり、効果を発揮できなくなってしまう事もあります。

メンテナンスは1か月に1回程度行い、汚れをためこまないようにしましょう。

しっかり施工してくれる業者を選ぶには

必要な情報を集める

高気密高断熱な住宅をしっかり施工してくれる業者を選ぶために、必要な情報を集めることから始めましょう。本当に快適に暮らせる住まい作りを行うためには、自分で情報を集めて判断することが大切です。

施工会社の情報はWeb上で調べることができますが、正しい情報だけを集めることは簡単ではありません。情報収集に力を入れすぎると、正しい情報が判断できなくなってしまう可能性もあるので注意してください。身近に家を建てた方がいれば、直接話を聞いて情報を得るのも有効です。

工務店の見学会に参加してみる

実際に住宅の建築を依頼したい工務店があれば、見学会に参加してみましょう。工務店によってはモデルハウスを持っていたり、完成見学会を開催している場合もあります。なかには、建築中の建物の構造見学会を行っている工務店もあります。

工務店の見学会に参加した際は、室内の温度や湿度で気密性・断熱性に優れているか否かを判断することができます。実際に自分で見て話を聞いて体験することで、確かな情報を得ることができるでしょう。

京都で高気密・高断熱の高性能住宅が建てられる工務店・ハウスメーカーをチェック

京都で性能住宅が建てられる
工務店・ハウスメーカー4社
重要な3つの性能

気密性C値が0.7以下
家の空気をきれいに保つ

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換気熱交換換気
室内の熱が逃がさず快適

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ロイヤル住建 一条工務店 敷島建設 小林工務店
気密性 C
0に近いほど快適
0.34 0.59 0.5~0.8 0.5以下
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0.4以下 0.25 0.45~0.48 0.46以下
坪単価 60万円/坪 65万円~/坪 65万円~/坪 要問合せ
公式HP

C値(気密性)…家のすき間の割合を表す数値です。C値は数字が小さい方が優れており、高気密の目安は0.7以下を推奨。気密性の高い住まいは、家の熱を逃がさないだけでなく、清浄したきれいな空気を計画的に取り込むことができます。
UA値(断熱性)…住宅の断熱性能を表す指標です。数字が小さい方が優れており、京都府のZEH(ゼロエネルギー住宅)基準値は0.6以下となっています。(参照元:環境共創イニシアチブhttps://sii.or.jp/moe_zeh31/uploads/zeh31_pamphlet4.pdf)
※2020年8月時点の調査をもとに作成しています。坪単価は、独自調査によるものです。住宅や土地、エリアによって異なりますのでご了承ください。