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猛暑で過ごしにくい日本の夏。特に住宅で二階に上がると、サウナのように室内が暑く感じることはありませんか?
二階は実際に、暑くなりやすいのが特徴です。では、どうして二階は暑くなりやすいのでしょうか。
理由は主に以下の3つが挙げられます。順番に見ていきましょう。
暖かい空気には元々、上に行く性質があります。これは暖かい空気が「軽い」から起きる現象です。
物体の重さを比較する際には、物体を同じ体積にして密度によって比べる必要がありますが、このとき密度が小さければ「軽い」、密度が大きければ「重い」と判断できます。
空気は暖かいほど膨張するため、結果的に体積分の密度が小さくなり、軽くなるというしくみです。軽いため暖かい空気は上へと行き、したがって、一階よりも二階のほうが暑くなるのです。
これは戸建てのフロアだけでなく、階層の連なるマンションなどにも当てはまります。
マンションなども上の階ほど暖かい空気が行きやすく、気温が高くなりがちです。
また吹き抜けリビングなどはうっかりすると、夏は二階の空気が流れてきて暑く、冬は暖かい空気が上へ昇ってしまい寒い、といった空間になってしまうので注意しましょう。
ベランダからの照り返しも、二階が暑くなる原因の一つです。
多くの住宅に存在するベランダ。そのベランダから入ってきた日光が、床にあたって照り返し、室内部分に入ることにより、室温の上昇につながります。
照り返しを防ぐには、昼間でもカーテンを閉めたり、すだれなどを垂らして日光を遮断するのが効果的です。
また、ベランダに人工芝を設置したり、打ち水を行ったりして、ベランダ自体の気温を下げるのもおすすめです。
屋根の熱も暑さの原因の一つとなります。
屋根の熱が二階に伝わって、室内が暑くなるケースがあります。
屋根の素材によっても熱の伝わり方は異なりますが、一般的な瓦のほか、スレートや金属屋根を採用している住宅では、夏場で過ごしにくいほど室内が暑くなってしまう場合があります。
特に金属屋根は、夏場の日差しで表面温度が80℃になることも。そのため家を建てる際には、屋根からの熱を防ぐ工夫をするとよいでしょう。
暑くなりやすい住宅の二階。では、どうすればその暑さに対策できるのでしょうか。具体的に3つの方法をご紹介します。
二階が暑くなる原因の一つとして、暖かい空気が軽いため上にいきやすい、という性質がありました。
そこで、室内にこもってしまった熱を外に出し、空気の通り道を作ることで、暑さ対策を行うことができます。空気の通り道を作るためには、窓を開けて室内を換気するのが、簡単で効果的です。
窓を開ける際のポイントは、ちゃんと2か所の窓を開け、空気の入り口と出口の両方を作ることです。
これにより室内に空気の通り道ができ、室内の蒸した空気が風で流れてくれます。
2か所の窓はできるだけ対角線上にあると、空気の流れができやすくなります。
また空気の入り口となる窓は、冷たい風が入りやすいように、日陰の窓を選び、小さく開けておくことをおすすめします。逆に出口となる窓は大きく開けましょう。
もし窓が2つもない場合は、扇風機やサーキュレーターなどを活用して空気の流れを作りましょう。
照り返しによる暑さに有効な対策は、室内に入る日光を遮ることです。そのためにカーテンを利用しましょう。日中に二階のカーテンを閉めることをおすすめします。
カーテンは普通のものでもOKですが、厚手の遮光カーテンにするとより効果的です。
しかしカーテンは室内に設置するため、どうしても窓とカーテンの間に熱がこもってしまうのが難点です。
そこで、室外にすだれやグリーンカーテンを設置するとよいでしょう。
特に植物による自然のカーテンであるグリーンカーテンは、手入れの手間がかかりますが、植物の発生させる水蒸気によって温度が下がりやすいためとても有効な暑さ対策となります。
また、窓に断熱・遮熱フィルムを貼ってもよいでしょう。
屋根から伝わる熱は、暑さの原因の一つです。
日本で一般的に使われる屋根材は近年、瓦に代わって、スレートや金属屋根がメジャーになってきており、特に金属屋根のシェアが高くなっています。
耐震性の面でこれらの軽量な屋根が好まれる一方で、スレートや金属屋根は、瓦屋根よりも断熱性が低いという点に注意する必要があります。
断熱性が低いと、日光から熱が二階に伝わりやすくなり、室内の気温上昇につながってしまいます。
そこで屋根から来る熱を防ぐために、屋根塗装に「遮熱塗料」や「断熱塗料」を用いることをおすすめします。
また屋根断熱や屋根裏断熱を採用するのも有効です。
ただしこれらの対策は夏の日差しを防ぐものであり、冬の寒さ対策には向かないことに注意しましょう。
日射遮蔽という単語に、聞きなじみがない方もいるかもしれません。
日射遮蔽とは、主に夏場に窓から入ってくる太陽熱を遮ることを指します。では日射遮蔽におすすめのアイテムを、具体的にご紹介していきます。
ルーバーとは、細長い板を平行に並べてつけたもののことで、よろい戸などとも呼ばれます。
素材は木材やアルミなどがありますが、経年劣化の目立つ木製よりも、メンテナンスの手間が少ないアルミルーバーをおすすめします。
日光の指す向きに応じて、適したルーバーの角度が存在しています。
夏の日中は、太陽が高い位置にあるため「水平ルーバー」が効果的です。また、まぶしい西日を遮りたい場合は「垂直ルーバー」にするとよいでしょう。日光の入る角度に応じて適したルーバーを設置しましょう。
シェードとは、主に外に設置する日よけのロールスクリーンのことを指します。日射遮蔽に効果があります。
すだれも、主に外に設置する日よけのカーテンです。古くから日本で親しまれており、日射遮蔽に効果があります。
窓などについているシャッターや雨戸も、日射遮蔽に効果があります。閉めると室内が暗くなりがちですが、通風・採光性を保つものも存在します。
ハニカムブラインドとはその名の通り、ハチの巣のように六角形の筒が重なった構造のブラインドカーテンです。
断面に空気層があるため、日射遮蔽だけでなく、断熱効果もあるのが大きな特徴です。
デメリットとして、結露ができやすく、また六角形の構造のため設置場所に奥行きが必要な点などが挙げられますが、断熱効果を求める方にはおすすめできるブラインドです。
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